豪華な芸能
人は自分と同じか、ちょっと上の
世代に憧れを抱きやすい。
と、聞いた事がありますが、
私は実はイマイチ、
美空ひばりの良さが
(偉い人だから呼び捨てとす)
いつまでたっても
ちゃんとはわかってない
傾向があるのです。
私の祖母なんか
大好きでした。
しかし、子供心にはどうも
眉のあたりのメイクとか、
ドレスのちょっとした
センスなんかで
うまくなじめないまま
まるで偉人、
というカンジで
芸能を飲みこめず、
未消化のままだったのでした。
こないだ新宿に行ったら、
バルト9で
「ザ・スター美空ひばり~大人の音楽祭~」
という映画をやっているとわかり、
ちゃんと芸能を一度
味わってみるか!と思い、
一人で観てきました。
映画を一人で観るの
もともと大好き。
会場はお爺ちゃん、
お婆ちゃんでいっぱい。
笑いました。
笑いません。
そして上映。
フジテレビで
見つかった映像を
お届けという歌謡もの。
なーるほど
歌がやっぱりうまい
というか、どの作品にも
感情が丁寧に
こもっておられる、、、。
うとうと。
あっ。
気がついたら
爆睡してるではないか。
そしてまた後半、
起きて、ちゃんと聴きました。
帰り際、
皆さんのお顔が
間違いなく輝いてました。
階段のあたりで、
前の方の席にいた
お婆ちゃんが
どういうわけか、
私のひじを引っ張りました。
「ねえ、ひばりの映画はこれだけ?
終わったのかしらね?」
と聞きます。
「たぶんそうですよ。」
と、言うと、
「美空ひばりの映画って
あったからね。
わたし、時代劇のひばりを
観られるかと思ったの。
そうなのね。
歌だけなのね。」
ニコニコ。
とのことでした。
人々の心から本当に
消えてないのですなあ、
不死鳥のごとく。
思いをあらたにした
次第でございます。
映画は、
(え、昔のテレビって、
こんなにお金かかってなかったっけか?)
というスタジオのシンプルさと、
本当に真剣に
音楽と向き合っている
指揮のダン池田さんの背中が
印象的でした。
あと、人間がゴージャスなのが
見ものでした。
もちろん着物や宝石もだけど、
中身が、貫禄が、タマが違う。
歌への情熱が違う。
野心がみじんもない感じ。
これぞ芸能人って
カンジがしました。
寝たからあんまり説得力
ないかもしれませんが。