遺品

わりあい自分は
不用品はすぐに捨てている方
だと思うのに、
いつのまにか
物が溜まって行く。

物置きや押入れには
もう収納できないほど
何かでいっぱいだ。

いつのまにか何か買って
しまっているからだ。

スーパーでストレス買いをする。
そのための調理器具を
またあらたに欲しくなり、
器もそれ用に揃えたくなる。

AmazonではCDやDVDを買う。
靴が欲しい。
かわいい洋服が欲しい。
本も欲しい。
そのための書棚が欲しい。
私の部屋は物というより
物欲で溢れかえっている。

おととしだったか、
三年ほどになるか、
マネージャー・田中さんの
お母さんがお亡くなりになった。

しばらくたってから、
遺品の整理をしたそうだ。
そしたら。

「自分の物を、それほど
持っていなかった。」
ということに、
ずいぶんサッパリした
生活だったことに、
あらためてしみじみ
気がついたのだそうだ。

物欲まみれでなかった
人生だったんですなあ。

遺品があんまりない
だなんて、
なんと美しいことだろう。

ぐっとくる。

「欲にまみれてたんだね、、。」と
いつかコドモに
思われる前に処分しよう。

精神的に余裕のない人ほど
物がギッチリ、
な感じがする。
部屋はその人の頭の中に
似てるのかもね。

そういう意味では、
私は自分の生活に
いったい何が大切で、
何が不要なのか
まったく
把握できていない
ような気がする。

ちゃんと見ても
いないような
気がするのだった。

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