ドキドキ
こないだ、カフェで
待ち合わせをしていました。
早めについたカウンターで、
本を読みながらも
サンドイッチを注文。
食べようとしたら、
妙齢のご婦人がやって
きました。
「ちょっとすみませんけど、
席をつめてもらってもいい?」
「どーぞ?」
と言い、席を
1つずらした私。
こちらも待ち合わせなのか。
席が二つ必要なのね。
そしたら、ご婦人は一席には
バッグを置かれ、何やら
カチャカチャと音が。
「注射を打つもんですから。」
と、ひとりごとのように。
(えええええ!)
まったく表情を変えず、
(本に夢中でございます~)
なカンジで
実はめっちゃ驚いてる私。
フリーズ。
まじか。
(ここで、打つの?
大丈夫?)
実は私は自分が注射を
されてる時も、
こわくて見ないのです。
「ちょっとここ押さえて」
とか言われたらどうしよう。
きっと無理だ。
びびっちゃう。
今のうちに、そっと別の席に移動するか。
いや、それだとまるで
シツレイではないか。
糖尿病だったか、
確か自分で注射を打つってケース
聞いたことがあるけど、
あれってこんな気軽に
おできになるものなのね。
終わった?
などと、見てみたいけど、
なんかできない。
とにかく平然をよそおい、
コーヒーをまず飲む。
頭に入ってこないけど、
文庫本を凝視しろ。
サンドイッチをそろそろ
口に入れろ。
いちいち脳みそが指令を
出すのに、はい、はいと
従ってました。