急ブレーキ

ずいぶん前の話。
私の友達が、
いろんな人が出る
前衛的なライブを観に
行った時のこと。

詩の朗読コーナーがあり、
メルヘンな感じの女性の
特徴的な朗読に、
うっかり笑いそうになったとか。
「卵の 親は ピーヨコちゃん じゃ?」
みたいな感じにも聞こえる内容で、
(笑うな笑うな笑うな)
そう自分に暗示をかけてたそうです。

そしたらなんと、その女性の背後から
数名のダンサーたちが出てきて
朗読に合わせた、
静かで不思議な呼吸の踊りを
踊りはじめたらしいのです。

(これはもしかしたら、
笑わせてるんじゃないか?)
と、思ったほどだったそうです。

常識人として客席にいたかった
友人は、はじめはつねったりして
ガマンしてたんだけど、
ニヤニヤがだんだんくすくすに
なってもよくなった頃、
つまりはまわりの皆も
(ウフフ)、くらいならなんとなく
アリになってきた感じの頃。

急にこんなセリフを叫ばれ、
客席全員が、急ブレーキ!!
だったそうです。


「感じてください!!命の尊さ!」


印籠のような言葉に、
ふいをつかれ、なんとなく
申し訳ございません!
だったそうです。
ピタ。し~ん。

何もここで急に
出さなくても、、、、と
その友人はブツブツ
こぼしてました。

命の縮まる思い、
という点では、
その尊さも強く
共感できてたかもしれません。

笑ってしまった。

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