スベッた私
こないだ、お笑い番組の収録中に、ものすごくスベりました。
コロコロコロコロ。
えっ?と思うほど、おもしろそうな言葉が
いっさい出てこないし、まったく思いつかない。
うわあああああ。
もうダメ私。
と、昔だったら落ち込んで、後半もさんざんだったでしょう。
「夢で逢えたら」、という番組に出てた頃を思い出しました。
む、むいてないこの世界、、、。
しかし、キャリアとは、自分を離れて見ることができる
クールな回路。
自殺ができるんです。イメージで。
さっと死んで、しかも、さっさとやり直せる。
自分をたいそうに考えるのをやめられる。
後半から、ちゃんと落ち着けて、持ち直すことができました。
正直ホッとしました。プラマイゼロじゃない!
(って、ゼロじゃ普通、ぜんぜんダメなんだけど。)
ただ、完全にスベってるという状態は、
誰に迷惑かけるわけでもないように見えて、
やはり、一緒の芸人さんには迷惑をかけてて。
「さっきは私がさむかったせいで、
あんたにまでうつしちゃって、ごめんねー。」
と、あとで笑いながら言うと、
「あれは、俺の方こそスベってたんですホント、」、
など、切ないなぐさめあい。
ところで、若い頃は、
「なんでウケたとか、なぜスベッたか、とか。
プロになりたきゃ、いっさい考えない方がいいよ~」
と、エライ人からよく言われました。
そうなんですかー、、。
と、当時は思いましたが、
どうやらそうでもなさそうです。
ちゃんと感じることや、考えることは、
やはりジミチに大切なようです。
そうでないと、「畏れ」だけがしっかり
身についてしまいそう。
何万人の前でスベッて、落ち込んだ。
という、その恐怖には並々ならぬ底があります。
けれど「畏れないことができる人間」ほど、自然に自己分析や
判断が身についているようなのです。
そしてこれって、きっと実はどんな職業の人も
そうなのかもしれません。