2005年7月のエントリー

7月ですな

こないだ、生涯で一番?長く連載している雑誌、テレビブロスに、
こういう文章を寄せたのですが、

下北沢の映画館で「駅前シリーズ」をやってました。
たしか親が二人とも好きだったな、一度ちゃんと見てみよう、
と、めずらしくフラリと入ってみました。
結構な混雑で、私は一番前の列の隅に座りました。(中略)
終映後、さあ帰ろ、と機嫌よく席を立とうとした矢先。いきなり
会場が明るくなり、一人の男性が足早にやってきてスクリーンの
前でおじぎをするではないですか。何?と思っていると、
『これから映画評論家の○○さんの講演です』とのアナウンス。
え!と驚きながらも、うまく帰るタイミングを失ってしまった私。
そのあいだに椅子に座る評論家。講演なんて絶対やだ。
でも、今立って出るのはかなり失礼。仕方なくそこにいることに。
集中力はないし、一番前の席でどうヒマをつぶせばいいの、
うかつだったあ!と反省したのですが、《そうだ!メモを取ることで、
この退屈と遊ぼう。》とヒラメキました。メモ帳にいろんなイラストや
イタズラ書きをしていると、思いのほか時はスムーズに流れ、
大変助かりました。しかし、いきなりその評論家が、『えー、そこに
さきほどから懸命にノートに書き込んでおられる女性がいます!
駅前ファンですか?』とあきらかに私を指すではないですか。
涙が出そうになりました。私はなんという悪運なのか。
しかも、あせった私がとった咄嗟の行動は、帽子をさらに
深くかぶり、黙って合掌、というポーズでした。
今思えば死んだ、という演出だったのか。

ここに「私はその時いた者です。まさかあの帽子の方が
清水さんだったとは!」という意味のメールをいただきました。
こういう偶然を気軽にサッと教えてくれることができるから、
メールの時代はありがたいなー、と思います。
手紙や電話では、なかなか伝える気にならんだろうて。
でも(私はさんざんだったけど)、あの空気をわかりあえる人がいた!
という事実が救いになりました。

もひとつメールの話。
CDの『飴と鞭』が、SONYから再発売となるんですが
(ボーナストラック2曲入り!)、「昔出したCD幸せの骨頂も、
再発をしてください」というのもメールで多数いただきました。
骨頂のほうは、まだ一応売られているんです。
息を吹き返す、のではなく、息をまだ実はしていた、生きていた、なのです。
MIDIレコードからネットでも購入できるかと思います。
(今、『飴と鞭』を変換したら、『雨と無知』になっちゃいました。
か、悲しすぎる!)