駅からの帰り道。
私の前を
おじさんが歩いてました。
久々に見た歩きタバコ。
そして、そのまま
タバコをポイ捨て。
ポイ捨ても久々に見ましたが、
火がついたままでは
ありませんか。
ビックリしました。
私は(以下、空想です)
そのおじさんの肩を
ポンポンと叩き、
「拾いな」
とだけ言いました。
「あっ!姐さん」
男はビックリした様子で
振り返りました。
「清水組は解散したんですかい?」
「関係ないだろ?
おまえさんも
相変わらずなこった。」
タバコを拾いながら
男が嬉しそうに
へこへことついてきます。
「ホンマ、すんまへん。
スリの佐吉も最近じゃ
腕が落ちまして、
この通りタバコも指から
落としちまう次第でして」
「呆れたもんだね」
「まあ、一杯やりましょうよ。
東京の酒も久々でおます。」
大阪にいる男の母親の話などを
肴に、その晩は
飲み明かしたのでした。
(前半はノンフィクションです)
佐吉
投稿日:2016年5月30日