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マグリットとルーブルとバードマン

投稿日:2015年4月13日

パテ屋の林さん
(私が昔アルバイトしてたお店のオーナー)と、
同じくスタッフだった北村さん、
その三人で、新国立美術館の「マグリット展」へ。
北村さんとは途中で別れ、
同じ場所で「ルーブル美術展」もやってたので、
林さんと二人、
そっちも行ってみることに。
およそ4時間ほど観覧したことになる。
それほどすごい
展示数なのだった。
絵画ってなんでこんなに
後世まで残るものなんだろう。
くらっとくる。
林さん、「世田谷美術館でやってる、
東宝(映画)の展示も
なかなか面白かったのよ。」
と言うので、
「面倒臭がらずにちゃんと
外に出かけているの、
エライですね~」
と言ったら、(私の実家で暮らす母と同い年でおられる)
「仕事で外に出るハメになるうち、
億劫にならなくなれたの」、とのこと。
「そんなのへいちゃら」、ではなくて、
「億劫にならなくなった」ってことは
やっぱり外出するのは
億劫だったってことなのね。
帰り際、映画に誘ってみたら
のってくれた。
2人で六本木ヒルズでやってた
「バードマン」へ。
評判もよかったけど、
カメラワークとドラムの音の使い方が
特に面白かった。
帰りのエスカレーターで
「ずっと昔、シミズさんと映画二本、
ハシゴした事があったわよねえ」
と林さん。
そうです。
よく覚えててくださった。
クヨクヨばかりしていた
若いころのバイトの私を
よくぞ可愛がってくれました。
いまこそ、感謝を言葉にしようか。
うっかりナミダが出そうに
なっちゃった。
結局できなかったけど。
林さんはよく年下の人の話を
興味を持って
聞いてくれる人柄なのだ。
今、私はその当時の
林さんより年をとった。
しかし、若い人の話を聞くなんて
ちっともやろうとしてないし、
うっかり悩みなんか
話されたら(まずい)とすら
思ってしまう。
若いころほどすぐに
勝手に傷つく、というより
むしろ「傷に積極的か?」と
思うほどマイナスになりたがる
傾向がある。
しかし、林さんはあの頃、
どうして、笑いながら、
「シミズさん、それはねえ~」などと
教えてくれることができたのだろう。
赤の他人にやさしくできる、
見返りを求めない、
という行為は究極
なのではないか。
寅年の女って、みんな
なぜかすごいな~。
そんな事を考えながら
マグリットとルーブルと
バードマンの3つを
見てたのでした。

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