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ファーストマダー物語

投稿日:2023年6月16日

むかしむかし。

国中で一番
素晴らしい母親は
誰だ、という判定が
始まりました。

ベストマザー賞と
名付けようぞ。

しかし、なぜか
受賞者が決まると、
当事者にあまり
良くないことが
起こります。

これは妙だ。

女性にまつわる
事件だから、
女の君に頼む、と
調査を依頼された
探偵は、うなづきながら
腕まくりをしました。

そうして
受賞者の母親や、
そのまた母、その母と、
全員の母親をくまなく
たどって調査すると、
初代の母という人物に
たどりつきました。

カーネーション村に
住んでいる
eveという名の女性です。

しかし、
その悲しげな表情に、
探偵が理由を聞くと、

「母性は愛で
 できてるのに、
 美女ばかりを
 選んでしまう
 現代人の心が
 悲しいのです。」

(きっとそれが
 恨みとなって
 いるんだわ。)

探偵は、隣村にいる
祈祷師に頼み、
愛と祈りで
呪いを解いて
もらいました。

探偵は大手柄。

しかし、その
翌年のこと。

なんとその探偵が、
ベストマザー賞を
受賞してしまいました。

(呪いは、いつかまた
始まるのでは?)

探偵はすぐに
「私などまだ結構です」
と言って断り、
翌年もその翌年も
まだまだ、まだまだと、
断り続けるので、
世間では
ベストマダー賞と
呼ばれはじめました。

そのうち、その
辞退する謙虚さと
発音の良さに、
ベストマダー賞は
世界に広まり、
誰もが憧れる
有名なアワードと
なったのです。

輝かしいのに
誰もいないという
不思議な授賞式が、
今日も地球のどこかで
静かに始まっていることは
言うまでもありません。

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