私は二回驚いた

さっき、かわいい後輩が
廊下で私を見つけて
「あっ!ミッちゃん!」と
挨拶してくれました。

しかし、私は
(聞こえてません)
という顔で、
ガン無視しました。

というのは、
「換気のために
開けっぱなしで!」
とされてる、
楽屋からの
リモート中だったんです。

廊下からせっかく
声をかけてくれた彼女に、
「そんな人などおらぬ!」
という態度を、武士のように
つらぬき通したのでした。

(きっとすぐ理解してくれてる)
という信頼関係が
あってのことでしたが、
私はこのように
一瞬ですぐ
ウソをつける人間です。

でも、ウソといえば
私の学生時代、
ケーキ工房でのバイト先で
知り合った女性が、
小さなウソを重ねて
いくジンブツで
心底驚いたことがあります。

しかもその中身も
せこい内容ばかりで、
何の得にもならないのに、です。

(なんでこのヒトは
 取るに足らない
 ウソばかりつくんだ?)
と、その当時は
驚きつつ、
帰宅しても彼女の言葉が
渦巻いてしまい、
ウソというものについて、
彼女の心理について、
何度もその不思議を
なぞっていたことが
ありました。

しかも、これって
なぜなんでしょう。

「おかしいじゃないですか?フフフ」
とか、
「ツジツマ合わない
 じゃないですか!ちょっとー!」
などと、笑いながらの
ツッコミというか、
問い詰めも
できそうなものなのに。

どこかそれが怖くて
言えないんです。

その人の中に何か
信じてる光景の
ようなものが
絶対的にある。

自分の中の
コドモみたいな
小さな正義がそれを
壊しちゃって
大丈夫なのか。

けれども、ある日のこと。
第三者から軽い口調で
「彼女は昔から
 虚言癖があるんだよね~」
と聞いた時は
(つか、そんな言葉があったの?!)
と、二回目のオドロキでした。

そしてその
虚言癖という言葉が、
私の内部で
くすぶってた火事を
消してくれたのでした。

私はすとんと、
フに落ちたのですね。

人知に計り知れないこと
というのが、
常に世間にはありうるのだ。

それからはもう
気持ちがうろうろ
しなくなりました。

そういう人はいる。
それをちゃんとわかる。

それだけでいいのだ。

そしてその晩、
マジ東京ってすげーな!
と、何度もコーフンして
思いました。


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